たち切れ
1月3日(水)
先ほど、メルマガ新年号を送信しました。この頃、迷惑メール対策をしている方には届かないこともあるようです。しかるべき設定をしていただいたら受信できると思います。
メルマガ配信ご希望の方は、米二ドットコムからメールでお願いします。住所とお名前、フリガナ付きでお知らせください。すぐにお送りいたします。
今回は7日(日)の「京の噺家桂米二でございます@深川江戸資料館」の宣伝も兼ねて中身の一部をご紹介します。
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数百を数え得る上方落語中でも屈指の大ネタで、これは古来偶像視されてきたはなしです。
なぜこれが特別扱いされるほどの大ネタかと言えば、まずそのドラマ構成の見事さ、舞台が上方落語の檜舞台とも言うべき船場の大きな商家である、そしてその登場人物の多彩さ、サゲがまた上々であること、さらにその狙いが人間の心情に根ざした、落語には珍しい純愛物語であること。
それぞれの人物描写のむつかしさも一通りではありません。若旦那、丁稚、番頭、お内儀、朋輩の芸妓たち、ちょっと出てくる男衆など、はなはだ多彩ですが、これらがそれぞれ複雑な条件設定下にあって、落語における類型的な丁稚や番頭ではいけないのです。
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人間国宝桂米朝の本「米朝落語全集」とCD「特選!! 米朝落語全集」。これには米朝本人による丁寧な解説が載っております。「たちぎれ線香」の解説の冒頭がこの一文です。うちの師匠にとっても特別な噺なんです。
昔、立風書房から出た「続・米朝上方落語選」の解説にはこんなことが書いてあります。噺家になってまだほんの駆け出しの頃、米団治師匠に「まだやるのは早い」と止められていたのに勢いでこの「たちぎれ」をやってしまったこと。師匠にどんなに叱られるかと思ってたら、叱らずに「たちぎれ」というのはどういう噺であるか、なぜ偶像視されているか、どうして難しいか、先輩方の工夫はどうであったか、寝酒のおりに何晩かにわたって、懇々と言われた……と。
私は45歳になるまでこの噺を手がけませんでした。というよりよう手がけませんでした。うちの師匠の「たちぎれ」があまりにもすばらしかったから。お手本が偉大すぎると「挑戦してみよう」となるか、逆に「まだまだでけへん」になるか両極端ですね。私は師匠のやる噺でもう一方の大ネタ中の大ネタ「百年目」は31歳でやり始めました。このときは米朝事務所の田中社長(現会長)に止められたのですが、師匠が「やれ」と言うてくれました。私が「たちぎれ」をやるようになったのは、うちの師匠があまりやらなくなってからなのです。
もう20年近く前のことだと思いますが、うちの師匠がサンケイホールの「桂米朝独演会」で3日間連続「たちぎれ」をやりました。私も舞台袖で3日間聴かせてもらいました。ゾクゾクし通し、至福の40分でした。
最終日の打ち上げパーティーで出席した方々から、この「たちぎれ」は絶賛の嵐でした。皆さん、それだけ感激されたということなんでしょう。
その晩、なぜか武庫之荘の師匠宅まで拉致されてしまい、泊めてもらうことになりました。寝酒の相手なんです。そのときに師匠はこんなことをボソッと言いました。
「わし、今日えらいみんなから『たちぎれ』のこと誉めてもろたけど、わし自身は昨日のほうが出来は良かったように思う……」
どう答えようかとちょっと迷いましたが、正直に言いました。
「私もそう思います。3日間とも全部聴かせてもらいましたが、昨日だけなんです。舞台袖でボロボロ泣いたんは……」
そう言うと、ニコッと笑って「そうか」とだけおっしゃいました。うちの師匠でも、いつもいつも自分で納得ができる出来……というわけではなかったのでしょう。
上方落語には東京落語のいわゆる人情噺はありません。この「たちぎれ」はサゲがある落とし噺ですが、立派な人情噺だと思います。なんというても美しい美しいラブ・ストーリーです。ラブ・ストーリーが嫌いな人はいないでしょう。オカマだって嫌いじゃないと思いますよ。
まだ私はこの噺は7、8回しかやっておりません。発展途上ですが、40代最後の桂米二の「たち切れ」を聴いていただけたらこんな嬉しいことはありません。
この「たちぎれ」というタイトルですが、うちの師匠がプログラム等に演目を出すときは「たちぎれ線香」としています。でも普段は「たちぎれ」としか言いません。亡くなった吉朝兄は「たちきり」としていました。サゲの言葉を忠実に表したのですね。私は「たち切れ」としています。これなら「たちぎれ」と濁ってもいいし、「たちきれ」とそのまま読んでもらってもいいと思ったからです。
1月7日の日曜日、お江戸は深川でお待ちしております。まだまだチケットたくさんありますよ。
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☆1月7日(日) 14:00 ~
第6回京の噺家桂米二でございます/深川江戸資料館 TEL 03-3630-8625
東京・都営地下鉄大江戸線 or 東京メトロ半蔵門線
「清澄白河」A3出口・徒歩3分
「動物園」「たち切れ」「初天神」米二 三席
「正月丁稚」二乗 「二人ぐせ」出丸
前売・予約¥2,800 当日¥3,300 全席自由 発売中
ぴあ 0570-02-9988 ぴあPコード専用 0570-02-9966[373-413]
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所 または
TEL & FAX 03-3412-2585 yasu66@my.email.ne.jp 米朝事務所東京
まもなく「チケットぴあ」での取り扱いは終了するのでご注意ください。http://ap0.pia.co.jp/pia/et/onsale/ons_perform_list_et.jsp?ons_search_mode=ON&ONS_COL_SHEET_NO=164255&P_CODE=373413
米二へのご予約メールは、前日東京乗り込みのため、6日(土)の午前10時頃まで受け付けます。お返事メールでご予約完了です。それ以後は米朝事務所東京へお願いしますね。
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今回は7日(日)の「京の噺家桂米二でございます@深川江戸資料館」の宣伝も兼ねて中身の一部をご紹介します。
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数百を数え得る上方落語中でも屈指の大ネタで、これは古来偶像視されてきたはなしです。
なぜこれが特別扱いされるほどの大ネタかと言えば、まずそのドラマ構成の見事さ、舞台が上方落語の檜舞台とも言うべき船場の大きな商家である、そしてその登場人物の多彩さ、サゲがまた上々であること、さらにその狙いが人間の心情に根ざした、落語には珍しい純愛物語であること。
それぞれの人物描写のむつかしさも一通りではありません。若旦那、丁稚、番頭、お内儀、朋輩の芸妓たち、ちょっと出てくる男衆など、はなはだ多彩ですが、これらがそれぞれ複雑な条件設定下にあって、落語における類型的な丁稚や番頭ではいけないのです。
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人間国宝桂米朝の本「米朝落語全集」とCD「特選!! 米朝落語全集」。これには米朝本人による丁寧な解説が載っております。「たちぎれ線香」の解説の冒頭がこの一文です。うちの師匠にとっても特別な噺なんです。
昔、立風書房から出た「続・米朝上方落語選」の解説にはこんなことが書いてあります。噺家になってまだほんの駆け出しの頃、米団治師匠に「まだやるのは早い」と止められていたのに勢いでこの「たちぎれ」をやってしまったこと。師匠にどんなに叱られるかと思ってたら、叱らずに「たちぎれ」というのはどういう噺であるか、なぜ偶像視されているか、どうして難しいか、先輩方の工夫はどうであったか、寝酒のおりに何晩かにわたって、懇々と言われた……と。
私は45歳になるまでこの噺を手がけませんでした。というよりよう手がけませんでした。うちの師匠の「たちぎれ」があまりにもすばらしかったから。お手本が偉大すぎると「挑戦してみよう」となるか、逆に「まだまだでけへん」になるか両極端ですね。私は師匠のやる噺でもう一方の大ネタ中の大ネタ「百年目」は31歳でやり始めました。このときは米朝事務所の田中社長(現会長)に止められたのですが、師匠が「やれ」と言うてくれました。私が「たちぎれ」をやるようになったのは、うちの師匠があまりやらなくなってからなのです。
もう20年近く前のことだと思いますが、うちの師匠がサンケイホールの「桂米朝独演会」で3日間連続「たちぎれ」をやりました。私も舞台袖で3日間聴かせてもらいました。ゾクゾクし通し、至福の40分でした。
最終日の打ち上げパーティーで出席した方々から、この「たちぎれ」は絶賛の嵐でした。皆さん、それだけ感激されたということなんでしょう。
その晩、なぜか武庫之荘の師匠宅まで拉致されてしまい、泊めてもらうことになりました。寝酒の相手なんです。そのときに師匠はこんなことをボソッと言いました。
「わし、今日えらいみんなから『たちぎれ』のこと誉めてもろたけど、わし自身は昨日のほうが出来は良かったように思う……」
どう答えようかとちょっと迷いましたが、正直に言いました。
「私もそう思います。3日間とも全部聴かせてもらいましたが、昨日だけなんです。舞台袖でボロボロ泣いたんは……」
そう言うと、ニコッと笑って「そうか」とだけおっしゃいました。うちの師匠でも、いつもいつも自分で納得ができる出来……というわけではなかったのでしょう。
上方落語には東京落語のいわゆる人情噺はありません。この「たちぎれ」はサゲがある落とし噺ですが、立派な人情噺だと思います。なんというても美しい美しいラブ・ストーリーです。ラブ・ストーリーが嫌いな人はいないでしょう。オカマだって嫌いじゃないと思いますよ。
まだ私はこの噺は7、8回しかやっておりません。発展途上ですが、40代最後の桂米二の「たち切れ」を聴いていただけたらこんな嬉しいことはありません。
この「たちぎれ」というタイトルですが、うちの師匠がプログラム等に演目を出すときは「たちぎれ線香」としています。でも普段は「たちぎれ」としか言いません。亡くなった吉朝兄は「たちきり」としていました。サゲの言葉を忠実に表したのですね。私は「たち切れ」としています。これなら「たちぎれ」と濁ってもいいし、「たちきれ」とそのまま読んでもらってもいいと思ったからです。
1月7日の日曜日、お江戸は深川でお待ちしております。まだまだチケットたくさんありますよ。
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☆1月7日(日) 14:00 ~
第6回京の噺家桂米二でございます/深川江戸資料館 TEL 03-3630-8625
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「清澄白河」A3出口・徒歩3分
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「正月丁稚」二乗 「二人ぐせ」出丸
前売・予約¥2,800 当日¥3,300 全席自由 発売中
ぴあ 0570-02-9988 ぴあPコード専用 0570-02-9966[373-413]
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所 または
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