後輩へ稽古

昨日は稽古でした。つけてもらうのではなくて、つけるほう。つまり教えるほう。

以前はうちの家で稽古をしてましたが、今は事情が変わりまして家で稽古ができなくなりました。大きな顔をしたボックが居るから。

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うるさいねん、こいつ。稽古でへんな声出すと。

そんな訳で、この頃はずっと上方落語協会会館の会議室を借りてやらせてもらってます。みんな京都まで来なくて良いので喜んでるやろうね。その代わり、私は大阪まで出て行かんならん。電車賃使うて。

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稽古の相手は若手(もう若くないか)の売れっ子、演目は上方落語屈指の大ネタ。稽古の方法は一からつけるのではなくて、覚えてきたものを私が聞いてダメ出しをするという形です。行く道々、考えましたがな。丁寧な稽古にするか。それとも言うこと、つまり台詞だけ細かに教えるか。

丁寧な稽古というのは、私の場合、その演目の性根というか、うちの師匠から言われたこと、そこへ何度もそのネタをやった上で私が考えていること、そのネタの根本まで伝えようとします。よそのお弟子さんの場合はあまり事細かに稽古しない場合が多いです。その男は自分の師匠から落語に対する考え方など大事なことは教わっているはずやし、もう基礎はできあがってるし、あまりこっちが細か過ぎると嫌われるし……。

ま、出たとこ勝負や、みたいな感じで始めました。噺を途中で止めないで、私はメモを取りながら最後まで聞く。それからそのメモを見ながら、ダメ出しをするというつもりで。メモは言い間違え、注意点、その場面についてうちの師匠に教わったこと等々。

最後まで聞いてからメモを見ると、メモをした項目はなんと68もありました。たくさん書きましたなあ。その数だけ言うてやることがあるんです。自然と丁寧な丁寧な稽古になりました。得心してくれたかな?

あとは自分の甲斐性でやるだけですぞ。と、思てたら「もう一ぺん聞いてください」と来た。おう、やる気を出したね。

そんな訳で、来週もう一ぺん聞きます。稽古はしんどい作業ですが、これで相手に伝わると思うと嬉しいものです。同時にライバルを拵えあげてるようなものですが、何か清々しい気持ちで帰りの京阪電車に乗りました。

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この記事へのコメント

千枚漬
2015年04月29日 23:03
落語に限らず芸事一般においては、師匠を超えるのが、最高の恩返し。
また、師匠の教えてくれはったことを、後々の人に伝えていくのも、恩返し。

どうなるや皆目分からん若もん相手に、
〈無償お稽古+寝食×365日×3年絶えず数人、
本読みたいや飲みたいやと、出たり入ったりするのんは数知れず〉
という大師匠のこと考えたら、電車賃くらいなんどすのん。
もっとも、習う側を手元に呼びつけんというのは、ちょと威厳がおへんような気もせんではないけど、
「あ、師匠、ちょと出稽古に出て行かはりました。今日は寄り道せんと戻る言うてはったから、待っときよし」
というのも、ええ響き。
せいだいおきばりやす。