平成最後の「桂米二独演会」

なんぞ言うと「平成最後」「平成最後」ですな。あと2ヶ月を切ったのですから、無理もないですが。という訳で「平成最後の桂米二独演会」です。

京都での独演会を始めて何年になるでしょうか? ちゃんと記録をつけていたのですが、そのノートが行方不明。今はエクセルでつけているので、PCさえ開いたらすぐにわかりますが、昔のことは記憶に頼るしか仕方ありません。

最初の独演会は京都駅八条口のアバンティホールでした。ゲストはジャズ漫画の木川かえる師匠でした。もう亡くなりましたが、即興で洒落た漫画を描く方でした。ゲストにお願いしたら、凄く喜んでくれはったのを覚えております。

その後は噺家が多いです。米朝一門ではざこば、南光、吉朝、小米朝(現米團治)という面々。他に春團治師匠にも一度出てもらいました。一緒に写真を撮らせてもらったのが残っております。

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25周年記念の時は仁鶴師匠にも出てもらいました。「落語を好きになったきっかけは仁鶴師匠です。ありがとうございます」と言うたら、「そうかぁ」と言うてにこっと笑てくれはりました。

そうそう、ミュージカル女優の木村花代さんに歌ってもらったこともありました。私までちょっとだけ歌わせてもらって、あれはお祭りでした。

近年は六代文枝前会長、鶴瓶兄さんに出てもらいました。でもうちの師匠には出てもらえませんでした。頼もうと思たら、入院してしまいました。骨折で。まあ、よく骨折する人でしたから。

「上方落語勉強会」の記念公演にも出てもらうことになってたのに骨折。あの時は病院まで押しかけて、メッセージを録音して、それを当日会場で流しました。録音している最中に米團治君がベッドを動かしたので、「痛い痛い痛い!」という叫び声まで録音されてしまいました。もう大笑い。

で、今回のゲストは桂文之助兄さんです。この方は私にとってどういう方かというと……30年前に私の結婚式の司会をしてくれた人です。それだけ。

さて「平成最後の桂米二独演会」と言いましたが、ひょっとすると「人生最後の桂米二独演会」になるかもしれません。ま、長生きしたらならないと思いますが。

最近、独演会をやる意味を見出せなくなってしまいました。普段からあっちこっちでしゃべってるし、小規模の会はたくさんありますから、わざわざ独演会にして 大きい会場でしゃべらなくてもいいか、と思うようになりました。やっぱりマイク無しでしゃべれるところが好きなんです。狭いところが落ち着きます。普段、屋根裏で寝起きしてますから。

という訳で、京都での独演会は今回でやめることにします。今度もしやるとしたら、古希記念とか50周年記念とかになると思います。なんとか生き延びたいと思ってますが、みんなも頑張って長生きしてくださいね。


  ☆3月10日(日) 14:00 ~ (開場 13:30)
桂米二独演会/京都府立文化芸術会館ホール(椅子席)
 河原町通・市バス「府立医大病院前」すぐ
 京阪「出町柳」or「神宮丸太町」徒歩12分 有料P有
「二十四孝」「皿屋敷」「かわり目」米二・三席
「動物園」二豆 ゲスト「お楽しみ」文之助  糸・貴子
前売・予約¥3,500 当日¥4,000 文芸会館友の会会員¥3,000
ユース¥2,000 (25歳以下・要年齢証明) 全席指定
TEL (G)075-222-1046 (G)府立文化芸術会館
問&予:TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所(平日10~18時)
 40周年記念の次は還暦記念でした。今回は……なんの記念でもありません。
 諸般の都合で年末から、年度末の開催になりました。日曜のお昼です。
 繁昌亭の独演会と同じく25歳以下2,000円のユース割引ございます。
京都府立文化芸術会館

京都府立文化芸術会館地図

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ブログ読者の方は「ブログ見ました」の一言で前売料金にさせていただきます。

大嶽部屋激励落語会「勝ち越し亭」

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間もなく大相撲大阪場所は初日を迎えます。昨年同様、我が大嶽部屋の稽古場に、私の名前が入った幟を挙げてもらいました。ええ色やねえ。これは幟が挙がった日の写真。

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先週、私が稽古を見せてもらった日の幟がこれ。からみついて私の名前が見えなくなってます。隣の笑福亭銀瓶幟は凛々しくはためいてるのに、私のはこんがらがってるやん。引っ張り出そうとしてもダメでした。ま、私らしくていいですが……。

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相撲の稽古を見ると、いつもガーンと一発殴られた気分になります。お相撲さんの激しい稽古に比べて、我々噺家はなんて楽をしてるんでしょ。反省。一時的ですが……。

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そして大嶽部屋激励パーティー。我々噺家は力士のインタビューをさせてもらいました。納谷君、大きいねえ。去年の秋、九州で会った時はなかった髷が、ちょこんと頭に載ってました。可愛いやんか。

今夜、そんな大嶽部屋の力士を励ますための落語会が繁昌亭であります。名付けて「勝ち越し亭」。笑福亭松喬君が付けた名前です。彼は今夜、他の仕事があって出ませんが。

  ☆3月7日(木) 18:30 ~ (開場 18:00)
第3回勝ち越し亭~大相撲春場所・大嶽部屋激励落語会~/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 南へ徒歩3分
ご挨拶 「笠碁」ひろば 「天狗裁き」米二 大喜利 「時うどん」佐ん吉 「はてなの茶碗」銀瓶  糸:律子
前売・予約¥3,000 当日¥3,500 大学・高校生¥2,500 小中学生¥2,000
全席指定  TEL (G)06-6352-4874 繁昌亭窓口
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
 話題の絶えない大嶽部屋ですが、我々はずっと応援し続けます。
 あの稽古を見たら、誰でも応援したくなりますよ。
 噺家の稽古を見たら落語会へ行く気が失せるかもしれませんが……。
大鵬道場大嶽部屋

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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前売扱いのメール予約は直前まで受け付けております。「ネットで見た」の一言で前売料金になります。お待ちしてまっせ!

松之助師匠作の袴板

どこの楽屋か忘れたけど、楽屋で袴板(はかまいた)の話をしていました。袴を穿く時に腰へ着けて使う物です。これがあると袴を穿いた後ろ姿が凛々しくなるんです。若い頃、私は持ってませんでした。袴は持ってましたよ。

そんな話を松之助師匠が聞いてはったんですね。その次にお会いした時、

「作ったったで」

と、これをいただきました。笑福亭松之助師匠手作りの袴板です。

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大先輩からこんな物をいただくとは思いませんから、ほんとにびっくりしました。それにまた器用な方だったんですね。こんなに綺麗に仕上げてあるのですから。「松」という字が見えるでしょ? これが松之助師匠の作という証拠です。

最後にお会いしたのは5年ほど前でした。動楽亭昼席の後、ざこば兄さん、千朝兄さんらと飲んでました。いきなり、ざこば兄さんが、

「今から松之助師匠のお宅へ行こか」

ざこば兄さん、すぐに電話しはったんです。

「わしもしんどいから、すぐに帰るんやったら来てもええで」

ということで、押しかけました。なんのすぐに帰りますかいいな。2時間ぐらい居てたでしょう。また松之助師匠もお元気でご機嫌でしたから。いっぱい話をしました。

また私が師匠と呼ぶお方が一人減りました。心から冥福をお祈りいたします。

この袴板、今日も新橋演舞場で使わせてもらいます。

ご寿命……テレビのことです

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今朝……というか夜明け前(午前3時起床)、春團治師匠の「野崎詣り」のDVDを観ようと思ってテレビをつけたら、映りませんでした。壊れたんです。叩いたら直ると言われた時代のテレビが見事につぶれたんです。もちろん叩いてもダメでしたが……。

このテレビは20年以上使ってました。そろそろ寿命とは思ってました。予兆がありましたから。誰も触ってないのに勝手に電源が入るんです。幽霊テレビですな。

早速、家の者に報告したら、娘がこんなことを言いました。

「壊れたん? ドラム缶のテレビ」

ブラウン管やがな。

……という訳で、今夜の「野崎詣り」の出来が悪かったら、それはテレビが壊れたせいです。落語会の売り上げの一部を新しいテレビの購入に充てさせてもらいます。赤字やったらどないしょ?

繁昌亭でお待ちしております。まだまだご予約受付中です。またブログ、Twitter、Facebook、インスタ、なんでもいいから「見た」で前売料金にさせていただきます。

  ☆2月12日(火) 18:30 ~ (開場 18:00)
第26回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
「野崎詣り」「持参金」「寝床」米二・三席
「看板のピン」團治郎  ゲスト「お楽しみ」すずめ 糸:貴子
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所
TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口  後援:果物専門店 丸留(TEL06-6351-0901)
 ◎丸留の高級果物が当たる抽選会有り
 いつの間にか26回目。今回のゲストは女優の三林京子こと桂すずめさんです。
 ちなみにすずめさんは妹で、米二が兄という関係になります。噺家としては。
 ユース割引あります。25歳以下は社会人でも学生でもお安くします。
 なおユース割引は米朝事務所と桂米二予約センターのみの扱いとなります。
 チケットぴあ、コンビニ、繁昌亭窓口での取り扱いはございません。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 2月12日(火) 18:30開演をご指名ください。
果物専門店・丸留

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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雪の大津で車が立往生

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大寒波が襲来しているそうです。天気予報で観測史上最強とか言うてます。最近多いですね。50年に一度とか、観測史上初とか。幸い京都の寒さはそれほどでもありません。

ところによっては大雪のところもあるようですね。雪で思い出すことがあります。あれは阪神タイガースが日本一になった昭和60年の12月でした。大津の西武百貨店まで買い物に出かけた帰り、降り始めた雪の量はものすごく、当時山科に住んでいた私は、大津で車の立往生に巻き込まれました。

浜大津から京都へ向かう国道161号線。しばらく行くと国道1号線と合流するのですが、そこへ行くまで全く動かない状態。今でもこの辺は京阪電車京津線が道路の上を走っていますが、その日、車が動かないのに付き合って、電車も全く動けなくなっていました。気の毒に。線路の上までびっしりと車が埋まってましたから。

ここで何時間過ごしたでしょう。雪はまだ降り続いています。西武百貨店を出たのが午後4時で、6時間経っても京津線で言えば、まだ浜大津駅と上栄町駅の間で止まっていました。乗用車は動けますが、大型トラックが逢坂山の坂を上れないから立往生してるんです。

近くにコンビニが見えて助かったと思いました。車をほったらかしにして買いに行ったら、もうなんにもない。スナック菓子が買えたから、まだ良しといたしましょう。戻ってきたら、前後の車はビリっとでも動いてませんでした。

動き出したのは日付が替わった頃から。少しずつ少しずつ。乗用車はそろそろ、そろそろ。トラックはツルツル、ツルツル。ようやく山科の家まで帰りついたら、午前2時になっていました。山科より一里半……忠臣蔵の台詞やないけど、山科から大津もそんなものでしょう。なんと10時間もかかったのでした。

その立往生していた辺り、そのすぐ傍に奏美ホールはあります。そこで今日は落語会。しかも「池田の猪買い」という雪の降る噺を出してます。それに今年の干支はイノシシですぞ。

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  ☆2月10日(日) 14:00 ~ (開場 13:30)
第8回びわ湖浜大津寄席番外編/(G)奏美ホール(椅子席)
 〒520-0057 滋賀県大津市御幸町6-9 TEL 077-524-2334
 京阪電鉄京津線「上栄町」東へ徒歩3分
 JR東海道本線「大津」北西へ徒歩7分
「道具屋」二豆 「ふぐ鍋」ちょうば 「池田の猪買い」米二 「饅頭こわい」米二 糸・陽子
前売・予約¥2,500 当日¥3,000 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥1,000
全席自由 前売券取扱所 奏美ホール 大津百町館
問&予 TEL 080-8941-7211 江口 ※留守番電話
実行委員会 PCからのメール biwakohamaotsuyose@gmail.com
携帯からのメール biwakohamaotsuyose@docomo.ne.jp
桂米二予約センター PCからのメール g-yan@yoneji.com
携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催:びわ湖浜大津寄席実行委員会  後援:大津市 FMおおつ
 諸般の都合で、今回は以前の奏美ホールに戻ります。ちょっと懐かしい。
 その次はまたスカイプラザ浜大津の予定です。ややこしくてすみません。
 今後、年3回のうち2回はスカイプラザ浜大津、1回は奏美ホールの予定。
 ご予約は実行委員会、桂米二予約センターのどちらでも承ります。
 奏美ホールは音楽用の小ぢんまりとした素晴らしいホールです。
びわ湖浜大津寄席ブログ

奏美ホール

奏美ホール地図

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前回まで「びわ湖浜大津寄席」は京阪電車、びわ湖浜大津駅の真横のスカイプラザ浜大津でしたが、今回は奏美ホールです。お間違えの無いように。ご予約お待ちしております。また「ブログ見た」で前売・予約料金にさせていただきます。

この2日後は天満天神繁昌亭でこんな会もあります。

  ☆2月12日(火) 18:30 ~ (開場 18:00)
第26回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
「野崎詣り」「持参金」「寝床」米二・三席
「看板のピン」團治郎  ゲスト「お楽しみ」すずめ 糸:貴子
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
ぴあ 0570-02-9999 Pコード 597-700
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所
TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口  後援:果物専門店 丸留(TEL06-6351-0901)
 ◎丸留の高級果物が当たる抽選会有り
 いつの間にか26回目。今回のゲストは女優の三林京子こと桂すずめさんです。
 ちなみにすずめさんは妹で、米二が兄という関係になります。噺家としては。
 ユース割引あります。25歳以下は社会人でも学生でもお安くします。
 なおユース割引は米朝事務所と桂米二予約センターのみの扱いとなります。
 チケットぴあ、コンビニ、繁昌亭窓口での取り扱いはございません。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 2月12日(火) 18:30開演をご指名ください。
果物専門店・丸留

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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こちらもご予約お待ちしております。「ブログ拝見しました」で前売・予約料金です。

桂塩鯛休演

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大事なお知らせです。26日(土)午後6時開演の「米二・塩鯛二人会@天満天神繁昌亭」ですが、塩鯛さんが病気のために休演となり、代演としてざこば兄さんと米團治君が出演することになりました。つまり、「桂塩鯛二席」の代わりに、「桂ざこば一席+桂米團治一席」となった訳です。オープニングトークも「米二×塩鯛」が「ざこば×米二×米團治」となりました。どっちが得や?

物議をかもす発言は撤回しまして、ま、私としても「えらいこっちゃ」なんです。私の二席「始末の極意」と「火事場盗人」は変わりませんが、代演で大先輩と御曹司が出てくれるんです。しかも米朝事務所的に言うと、常務取締役と代表取締役社長ですよ。ナンバー2とナンバー1が出演するんです。私は米朝事務所的に言うと単なる株主ですが……。最近、株の買い増しをしましたが……。そんなことはどうでもええんです。

という訳で、どの順番で出演するのか、何をやってくれるのか、トークでどこまで際どい話が出るのか、全く未知数です。おもろそうやけど。そんな訳で、塩鯛さんは出演しませんが、落語会は開催いたします。それをご承知の上でご来場くださいませ。

すでにチケットを買ってくださった方、これから予約してくださる方、どうぞよろしくお願いいたします。

その肝心の塩鯛君ですが、肝機能障害というか、肝硬変というか、要するに肝臓が悪いのですが、それもお酒が原因ではないようです。何かのウィルスが入ったとか(詳しいことは知りません)、他の原因だそうです。怖いものですね。幸い本人は元気になりまして、落語会に出る気も満々なのですが、まだお医者さんの許しが出ないとのことです。すでに私ともLINEでのやりとりはしていますし、あとは日にち薬ですね。

他人事(ひとごとと読みましょう)ではありません。私も還暦を過ぎ、いつ病に侵されるかわかりません。そんな訳で去年の秋から週に2日以上の休肝日を設けるという暴挙に出ました。人間ドックで女医さんにえらい叱られたんです。何年もお酒をほとんど抜いてませんでしたから。でも、この先生は酒を飲まない人だとすぐにわかりましたね。

その昔、桂米朝に言われたことを思い出します。まだ六代目松鶴師匠が存命でした。

「松鶴もわしも年取ってきた。春團治(三代目)も小文枝(五代目文枝)も若うない。ええか。この人の落語を聴くことはこれからもあるやろうけど、この人のこの噺(演目)を聴くのは、今日が最後と思て聴いときなさい」

この台詞を我々の世代が言う番が回ってきましたね。うちのお弟子さんよ。私の「始末の極意」と「火事場盗人」はこれが最後と思って聴きなさい。……たぶんそのうち「動楽亭昼席」でもやると思うけど。

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  ☆1月26日(土) 18:00 ~ (開場 17:30)
第11回米二・塩鯛二人会/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
オープニング・トーク「上燗屋」塩鯛 「始末の極意」米二
「三十石夢の通い路」塩鯛 小佐田定雄作「火事場盗人」米二 糸:公美子
塩鯛休演 代演 ざこば 米團治
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
11/26(月)前売・予約開始 ぴあ 0570-02-9999 Pコード 597-700
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所 TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口
 もう11回目の開催になる同期会、昨年同様、土曜夜公演です。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 1月26日(土) 6:00PMをご指名ください。
桂塩鯛

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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父の死

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昨年9月15日、父が91歳で亡くなりました。もう10年以上前から痴呆の症状が出て、醍醐にある同和園という特養老人ホームでお世話になっていました。会話ができなくなって、私が会いに行っても分かってるのか分かってないのか反応のない日もありましたが、最晩年はしきりに私を見て「あー、あー」と声を上げていたので、息子だということは分かっていたようです。

ここ数年、体調は特に悪くなかったようですが、昨年の春頃から食べ物が胃ではなく肺のほうへ入ってしまい、誤嚥性肺炎を何度も起こすようになりました。そろそろ終末を迎えていると担当医の先生から説明もあり、無理な治療はせずに自然に任せることにしました。

それでも食欲はあったようで、暑かった夏を乗り越えた頃になって、同和園から「全く食べられなくなりました」と連絡があり、それから数日で旅立ちました。思ってたよりもずっと父は頑張ったのです。葬儀は家族葬で済ませました。皆さんへのお知らせもしませんでした。だって、ほとんどの人がうちの父には会ってませんから。連休で連日仕事が入っていましたが、なんとか通夜と葬儀には参列できました。

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うちは両親と妹の4人暮らしで、父は関西電力の水力発電所に勤務しておりました。私が小学校3年生の時までは、今の自宅のすぐ近所にある蹴上発電所(日本で一番古い水力発電所)で働いておりました。当時は敷地内に社宅も有り、うちの一家はそこに住んでおりました。

その発電所にもよく出入りしてましたし、五山の送り火は毎年、ここの屋上から見ていました。「妙法」以外は全部見えるんです。ただ一番近い「大文字」は正面ではなくて、かなり斜めの角度から見るので、へしゃげてしか見えません。物心ついた頃からそれを見ていた私は、大文字の「大」は初めからぺしゃんこなんやと思い込んでおりました。ある時、正面からまともに「大」を見た時、びっくりしました。なんやこれ、こんなん大文字と違うで。これやったら左大文字とおんなじやがな

その頃は、家に車がなくてバイクでした。よく後ろに乗せてもらいました。父の背中にしがみついていろんなところへ連れてもらいました。一度、小学校から帰ってから「ついて来い」と言われて、そのままバイクで姫路まで行ったことがありました。書写山円教寺に登ったことを覚えてます。ただ京都から姫路なんて、学校の放課後に行くところではありません。帰りがずいぶん遅くなって、母が「そんな無茶なことするなんて」と怒ってましたね。私は父との良い思い出として残ってますが……。

私が小学校4年の時に宇治の天ヶ瀬発電所へ転勤になり、うちの一家も宇治に住み始めました。宇治には関西電力の大きな社宅があったのです。今、その場所は源氏物語ミュージアムになっています。菟道小学校、宇治中学校、城南高等学校と、私の出身校がみんな宇治にあるのはそのためです。天ヶ瀬発電所、天ヶ瀬ダムもよく遊びに行きました。

その後、喜撰山発電所にも勤務していました。ここは揚水式水力発電所です。喜撰山は平安の歌人、喜撰法師に由来する山ですが、その山に大きなダムをつくって、夜の間に余っている電気で水をダムに汲み上げ、昼にその汲み上げた水を使って発電をするのです。父はこのシステムを自慢するようによく語っていました。でも私は密かに思てました。夜、電気使うんやったら、効率悪いやん……。

父はずいぶん頑固というか、意固地な人でした。私のリクツのルーツはここにあります。今も思いますが、父のほうがもっともっと理屈言いでした。

酒が好きでした。めっちゃ好きでした。考えたらうちの師匠もえげつない酒飲みでしたから、私の身近なところには大酒飲みが二人も居たのです。私がお酒をほんの少し嗜むのはここからでしょう。

酒癖はあまりよくありませんでした。小さい頃、母によく言われました。「今日はお父さん、お酒飲みに行ってはるから気ィつけや」と。帰って来てから、逃げる私を追いかけてきては頭ボーンとどついたり、柔道みたいに足技かけてきて倒されたり……。幼い子にそんなことして何が面白かったんでしょう。今、私は「初天神」でこれを思い出してちょっとだけ使ってます。とらちゃんが向かいのおっさんとこで、この間の晩のことをしゃべるところです。

この父親を見て私は固く決意しました。大人になっても酒飲みにはならんとこ、と……。今になって思うとずいぶん柔らかくてゆるい決意でしたね。

私が米朝の家で修業中に交通事故で足を複雑骨折するという大怪我をしました。完全には治らず、一生足を引きずって歩いてました。もっと凄いのは、その後、バイクで転倒して、同じところをまた骨折してるのです。それも2回。つまり合計3回も同じところを折ってるんです。……最初、治さなんだら良かったんと違う?

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母が早くに亡くなった時、見た目も可哀想なくらいに落ち込んでました。もう立ち直れないのではないかと思いました。それなのに、すぐ再婚しました。それも足の骨折で入院している時に知り合った女性です。あまりにも早い再婚には反対しました。その女性が来てからは実家にほとんど帰らなくなりました。

でもその女性もほんまにええ人でして、しかもうちの父の世話をするだけして、先に旅立ってしまいました。うちの親父、二人も嫁はん見送ってるんです。

その頃から痴呆が出て、施設でお世話になるようになり、最後は同和園へ落ち着きました。ここはなかなか入れないところで、入れただけでも運が良かったんです。ここの介護スタッフの人達には本当にお世話になりました。

私が噺家になると言い出した時、何も言いませんでした。たぶん反対だったと思いますが、好きにさせてくれました。おかけで噺家になれました。でも、もしうちの息子が「噺家になりたい」と言うたら、わたしゃ反対しますけどね。儲からない商売はやめときと。

よく聴きに来てくれた母と違って、父は数えるぐらいしか落語会には来てくれませんでした。たぶん心配で聴いてられなかったんでしょう。母もはじめは同じことを言うてましたが、そのうちに私は客席でケラケラ笑っている母の姿を高座から発見しました。そして、こんなことも言うてました。

「あんたの落語が一番面白いわ。気が合うのかな?」

親子ですから。

その母は58歳で亡くなりましたが、父は91歳まで生き延びました。納骨も済ませましたが、母はお墓の中で27年も待ってたことになります。父が来て、母は父がすっかり老け込んだことにさぞ驚いたことでしょう。(後妻さんは元の家のお墓に入ってはります)

そんなこんなで年の初めのご挨拶ができておりません。ここ数年、家内の両親、そしてうちの師匠の喪中ということがあり、ずっとできてませんな。私は親と言うべき人が6人いましたが、すべて旅立ってしまいました。ですから、もう当分喪中はないと思います。今度は順番から言うと……俺かい?

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明日から、大阪、東京、京都と大事な落語会が続きます。来てね。

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