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じーやんの拍子の悪い日々・桂米二

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じーやんの拍子の悪い日々・桂米二
ブログ紹介
私の周りではしばしばへんなことが起こります。落語会をやるとしょっちゅう台風を呼んでしまいます。裕次郎でもないのに“嵐を呼ぶ男”の異名を持つ上方落語の語り部、ジーやんこと桂米二の身辺雑記です。Twitter : jeeyan2
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松之助師匠作の袴板

2019/02/24 10:04
どこの楽屋か忘れたけど、楽屋で袴板(はかまいた)の話をしていました。袴を穿く時に腰へ着けて使う物です。これがあると袴を穿いた後ろ姿が凛々しくなるんです。若い頃、私は持ってませんでした。袴は持ってましたよ。

そんな話を松之助師匠が聞いてはったんですね。その次にお会いした時、

「作ったったで」

と、これをいただきました。笑福亭松之助師匠手作りの袴板です。

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大先輩からこんな物をいただくとは思いませんから、ほんとにびっくりしました。それにまた器用な方だったんですね。こんなに綺麗に仕上げてあるのですから。「松」という字が見えるでしょ? これが松之助師匠の作という証拠です。

最後にお会いしたのは5年ほど前でした。動楽亭昼席の後、ざこば兄さん、千朝兄さんらと飲んでました。いきなり、ざこば兄さんが、

「今から松之助師匠のお宅へ行こか」

ざこば兄さん、すぐに電話しはったんです。

「わしもしんどいから、すぐに帰るんやったら来てもええで」

ということで、押しかけました。なんのすぐに帰りますかいいな。2時間ぐらい居てたでしょう。また松之助師匠もお元気でご機嫌でしたから。いっぱい話をしました。

また私が師匠と呼ぶお方が一人減りました。心から冥福をお祈りいたします。

この袴板、今日も新橋演舞場で使わせてもらいます。
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ご寿命……テレビのことです

2019/02/12 10:40
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今朝……というか夜明け前(午前3時起床)、春團治師匠の「野崎詣り」のDVDを観ようと思ってテレビをつけたら、映りませんでした。壊れたんです。叩いたら直ると言われた時代のテレビが見事につぶれたんです。もちろん叩いてもダメでしたが……。

このテレビは20年以上使ってました。そろそろ寿命とは思ってました。予兆がありましたから。誰も触ってないのに勝手に電源が入るんです。幽霊テレビですな。

早速、家の者に報告したら、娘がこんなことを言いました。

「壊れたん? ドラム缶のテレビ」

ブラウン管やがな。

……という訳で、今夜の「野崎詣り」の出来が悪かったら、それはテレビが壊れたせいです。落語会の売り上げの一部を新しいテレビの購入に充てさせてもらいます。赤字やったらどないしょ?

繁昌亭でお待ちしております。まだまだご予約受付中です。またブログ、Twitter、Facebook、インスタ、なんでもいいから「見た」で前売料金にさせていただきます。

  ☆2月12日(火) 18:30 〜 (開場 18:00)
第26回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
「野崎詣り」「持参金」「寝床」米二・三席
「看板のピン」團治郎  ゲスト「お楽しみ」すずめ 糸:貴子
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所
TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口  後援:果物専門店 丸留(TEL06-6351-0901)
 ◎丸留の高級果物が当たる抽選会有り
 いつの間にか26回目。今回のゲストは女優の三林京子こと桂すずめさんです。
 ちなみにすずめさんは妹で、米二が兄という関係になります。噺家としては。
 ユース割引あります。25歳以下は社会人でも学生でもお安くします。
 なおユース割引は米朝事務所と桂米二予約センターのみの扱いとなります。
 チケットぴあ、コンビニ、繁昌亭窓口での取り扱いはございません。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 2月12日(火) 18:30開演をご指名ください。
果物専門店・丸留

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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雪の大津で車が立往生

2019/02/10 05:21
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大寒波が襲来しているそうです。天気予報で観測史上最強とか言うてます。最近多いですね。50年に一度とか、観測史上初とか。幸い京都の寒さはそれほどでもありません。

ところによっては大雪のところもあるようですね。雪で思い出すことがあります。あれは阪神タイガースが日本一になった昭和60年の12月でした。大津の西武百貨店まで買い物に出かけた帰り、降り始めた雪の量はものすごく、当時山科に住んでいた私は、大津で車の立往生に巻き込まれました。

浜大津から京都へ向かう国道161号線。しばらく行くと国道1号線と合流するのですが、そこへ行くまで全く動かない状態。今でもこの辺は京阪電車京津線が道路の上を走っていますが、その日、車が動かないのに付き合って、電車も全く動けなくなっていました。気の毒に。線路の上までびっしりと車が埋まってましたから。

ここで何時間過ごしたでしょう。雪はまだ降り続いています。西武百貨店を出たのが午後4時で、6時間経っても京津線で言えば、まだ浜大津駅と上栄町駅の間で止まっていました。乗用車は動けますが、大型トラックが逢坂山の坂を上れないから立往生してるんです。

近くにコンビニが見えて助かったと思いました。車をほったらかしにして買いに行ったら、もうなんにもない。スナック菓子が買えたから、まだ良しといたしましょう。戻ってきたら、前後の車はビリっとでも動いてませんでした。

動き出したのは日付が替わった頃から。少しずつ少しずつ。乗用車はそろそろ、そろそろ。トラックはツルツル、ツルツル。ようやく山科の家まで帰りついたら、午前2時になっていました。山科より一里半……忠臣蔵の台詞やないけど、山科から大津もそんなものでしょう。なんと10時間もかかったのでした。

その立往生していた辺り、そのすぐ傍に奏美ホールはあります。そこで今日は落語会。しかも「池田の猪買い」という雪の降る噺を出してます。それに今年の干支はイノシシですぞ。

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  ☆2月10日(日) 14:00 〜 (開場 13:30)
第8回びわ湖浜大津寄席番外編/(G)奏美ホール(椅子席)
 〒520-0057 滋賀県大津市御幸町6-9 TEL 077-524-2334
 京阪電鉄京津線「上栄町」東へ徒歩3分
 JR東海道本線「大津」北西へ徒歩7分
「道具屋」二豆 「ふぐ鍋」ちょうば 「池田の猪買い」米二 「饅頭こわい」米二 糸・陽子
前売・予約¥2,500 当日¥3,000 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥1,000
全席自由 前売券取扱所 奏美ホール 大津百町館
問&予 TEL 080-8941-7211 江口 ※留守番電話
実行委員会 PCからのメール biwakohamaotsuyose@gmail.com
携帯からのメール biwakohamaotsuyose@docomo.ne.jp
桂米二予約センター PCからのメール g-yan@yoneji.com
携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催:びわ湖浜大津寄席実行委員会  後援:大津市 FMおおつ
 諸般の都合で、今回は以前の奏美ホールに戻ります。ちょっと懐かしい。
 その次はまたスカイプラザ浜大津の予定です。ややこしくてすみません。
 今後、年3回のうち2回はスカイプラザ浜大津、1回は奏美ホールの予定。
 ご予約は実行委員会、桂米二予約センターのどちらでも承ります。
 奏美ホールは音楽用の小ぢんまりとした素晴らしいホールです。
びわ湖浜大津寄席ブログ

奏美ホール

奏美ホール地図

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前回まで「びわ湖浜大津寄席」は京阪電車、びわ湖浜大津駅の真横のスカイプラザ浜大津でしたが、今回は奏美ホールです。お間違えの無いように。ご予約お待ちしております。また「ブログ見た」で前売・予約料金にさせていただきます。

この2日後は天満天神繁昌亭でこんな会もあります。

  ☆2月12日(火) 18:30 〜 (開場 18:00)
第26回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
「野崎詣り」「持参金」「寝床」米二・三席
「看板のピン」團治郎  ゲスト「お楽しみ」すずめ 糸:貴子
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
ぴあ 0570-02-9999 Pコード 597-700
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所
TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口  後援:果物専門店 丸留(TEL06-6351-0901)
 ◎丸留の高級果物が当たる抽選会有り
 いつの間にか26回目。今回のゲストは女優の三林京子こと桂すずめさんです。
 ちなみにすずめさんは妹で、米二が兄という関係になります。噺家としては。
 ユース割引あります。25歳以下は社会人でも学生でもお安くします。
 なおユース割引は米朝事務所と桂米二予約センターのみの扱いとなります。
 チケットぴあ、コンビニ、繁昌亭窓口での取り扱いはございません。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 2月12日(火) 18:30開演をご指名ください。
果物専門店・丸留

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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こちらもご予約お待ちしております。「ブログ拝見しました」で前売・予約料金です。
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桂塩鯛休演

2019/01/24 08:28
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大事なお知らせです。26日(土)午後6時開演の「米二・塩鯛二人会@天満天神繁昌亭」ですが、塩鯛さんが病気のために休演となり、代演としてざこば兄さんと米團治君が出演することになりました。つまり、「桂塩鯛二席」の代わりに、「桂ざこば一席+桂米團治一席」となった訳です。オープニングトークも「米二×塩鯛」が「ざこば×米二×米團治」となりました。どっちが得や?

物議をかもす発言は撤回しまして、ま、私としても「えらいこっちゃ」なんです。私の二席「始末の極意」と「火事場盗人」は変わりませんが、代演で大先輩と御曹司が出てくれるんです。しかも米朝事務所的に言うと、常務取締役と代表取締役社長ですよ。ナンバー2とナンバー1が出演するんです。私は米朝事務所的に言うと単なる株主ですが……。最近、株の買い増しをしましたが……。そんなことはどうでもええんです。

という訳で、どの順番で出演するのか、何をやってくれるのか、トークでどこまで際どい話が出るのか、全く未知数です。おもろそうやけど。そんな訳で、塩鯛さんは出演しませんが、落語会は開催いたします。それをご承知の上でご来場くださいませ。

すでにチケットを買ってくださった方、これから予約してくださる方、どうぞよろしくお願いいたします。

その肝心の塩鯛君ですが、肝機能障害というか、肝硬変というか、要するに肝臓が悪いのですが、それもお酒が原因ではないようです。何かのウィルスが入ったとか(詳しいことは知りません)、他の原因だそうです。怖いものですね。幸い本人は元気になりまして、落語会に出る気も満々なのですが、まだお医者さんの許しが出ないとのことです。すでに私ともLINEでのやりとりはしていますし、あとは日にち薬ですね。

他人事(ひとごとと読みましょう)ではありません。私も還暦を過ぎ、いつ病に侵されるかわかりません。そんな訳で去年の秋から週に2日以上の休肝日を設けるという暴挙に出ました。人間ドックで女医さんにえらい叱られたんです。何年もお酒をほとんど抜いてませんでしたから。でも、この先生は酒を飲まない人だとすぐにわかりましたね。

その昔、桂米朝に言われたことを思い出します。まだ六代目松鶴師匠が存命でした。

「松鶴もわしも年取ってきた。春團治(三代目)も小文枝(五代目文枝)も若うない。ええか。この人の落語を聴くことはこれからもあるやろうけど、この人のこの噺(演目)を聴くのは、今日が最後と思て聴いときなさい」

この台詞を我々の世代が言う番が回ってきましたね。うちのお弟子さんよ。私の「始末の極意」と「火事場盗人」はこれが最後と思って聴きなさい。……たぶんそのうち「動楽亭昼席」でもやると思うけど。

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  ☆1月26日(土) 18:00 〜 (開場 17:30)
第11回米二・塩鯛二人会/(G)天満天神繁昌亭(椅子席)
 地下鉄「南森町」4-B出口・JR東西線「大阪天満宮」JR3出口 徒歩3分
オープニング・トーク「上燗屋」塩鯛 「始末の極意」米二
「三十石夢の通い路」塩鯛 小佐田定雄作「火事場盗人」米二 糸:公美子
塩鯛休演 代演 ざこば 米團治
前売¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 全席指定
11/26(月)前売・予約開始 ぴあ 0570-02-9999 Pコード 597-700
問&予 TEL 080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
主催・お問い合せ TEL 06-6365-8281 米朝事務所 TEL 06-6352-4874 繁昌亭窓口
 もう11回目の開催になる同期会、昨年同様、土曜夜公演です。
 Pコード(597-700)は天満天神繁昌亭の公演全部が対象です。
 1月26日(土) 6:00PMをご指名ください。
桂塩鯛

天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭地図

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父の死

2019/01/07 14:49
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昨年9月15日、父が91歳で亡くなりました。もう10年以上前から痴呆の症状が出て、醍醐にある同和園という特養老人ホームでお世話になっていました。会話ができなくなって、私が会いに行っても分かってるのか分かってないのか反応のない日もありましたが、最晩年はしきりに私を見て「あー、あー」と声を上げていたので、息子だということは分かっていたようです。

ここ数年、体調は特に悪くなかったようですが、昨年の春頃から食べ物が胃ではなく肺のほうへ入ってしまい、誤嚥性肺炎を何度も起こすようになりました。そろそろ終末を迎えていると担当医の先生から説明もあり、無理な治療はせずに自然に任せることにしました。

それでも食欲はあったようで、暑かった夏を乗り越えた頃になって、同和園から「全く食べられなくなりました」と連絡があり、それから数日で旅立ちました。思ってたよりもずっと父は頑張ったのです。葬儀は家族葬で済ませました。皆さんへのお知らせもしませんでした。だって、ほとんどの人がうちの父には会ってませんから。連休で連日仕事が入っていましたが、なんとか通夜と葬儀には参列できました。

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うちは両親と妹の4人暮らしで、父は関西電力の水力発電所に勤務しておりました。私が小学校3年生の時までは、今の自宅のすぐ近所にある蹴上発電所(日本で一番古い水力発電所)で働いておりました。当時は敷地内に社宅も有り、うちの一家はそこに住んでおりました。

その発電所にもよく出入りしてましたし、五山の送り火は毎年、ここの屋上から見ていました。「妙法」以外は全部見えるんです。ただ一番近い「大文字」は正面ではなくて、かなり斜めの角度から見るので、へしゃげてしか見えません。物心ついた頃からそれを見ていた私は、大文字の「大」は初めからぺしゃんこなんやと思い込んでおりました。ある時、正面からまともに「大」を見た時、びっくりしました。なんやこれ、こんなん大文字と違うで。これやったら左大文字とおんなじやがな

その頃は、家に車がなくてバイクでした。よく後ろに乗せてもらいました。父の背中にしがみついていろんなところへ連れてもらいました。一度、小学校から帰ってから「ついて来い」と言われて、そのままバイクで姫路まで行ったことがありました。書写山円教寺に登ったことを覚えてます。ただ京都から姫路なんて、学校の放課後に行くところではありません。帰りがずいぶん遅くなって、母が「そんな無茶なことするなんて」と怒ってましたね。私は父との良い思い出として残ってますが……。

私が小学校4年の時に宇治の天ヶ瀬発電所へ転勤になり、うちの一家も宇治に住み始めました。宇治には関西電力の大きな社宅があったのです。今、その場所は源氏物語ミュージアムになっています。菟道小学校、宇治中学校、城南高等学校と、私の出身校がみんな宇治にあるのはそのためです。天ヶ瀬発電所、天ヶ瀬ダムもよく遊びに行きました。

その後、喜撰山発電所にも勤務していました。ここは揚水式水力発電所です。喜撰山は平安の歌人、喜撰法師に由来する山ですが、その山に大きなダムをつくって、夜の間に余っている電気で水をダムに汲み上げ、昼にその汲み上げた水を使って発電をするのです。父はこのシステムを自慢するようによく語っていました。でも私は密かに思てました。夜、電気使うんやったら、効率悪いやん……。

父はずいぶん頑固というか、意固地な人でした。私のリクツのルーツはここにあります。今も思いますが、父のほうがもっともっと理屈言いでした。

酒が好きでした。めっちゃ好きでした。考えたらうちの師匠もえげつない酒飲みでしたから、私の身近なところには大酒飲みが二人も居たのです。私がお酒をほんの少し嗜むのはここからでしょう。

酒癖はあまりよくありませんでした。小さい頃、母によく言われました。「今日はお父さん、お酒飲みに行ってはるから気ィつけや」と。帰って来てから、逃げる私を追いかけてきては頭ボーンとどついたり、柔道みたいに足技かけてきて倒されたり……。幼い子にそんなことして何が面白かったんでしょう。今、私は「初天神」でこれを思い出してちょっとだけ使ってます。とらちゃんが向かいのおっさんとこで、この間の晩のことをしゃべるところです。

この父親を見て私は固く決意しました。大人になっても酒飲みにはならんとこ、と……。今になって思うとずいぶん柔らかくてゆるい決意でしたね。

私が米朝の家で修業中に交通事故で足を複雑骨折するという大怪我をしました。完全には治らず、一生足を引きずって歩いてました。もっと凄いのは、その後、バイクで転倒して、同じところをまた骨折してるのです。それも2回。つまり合計3回も同じところを折ってるんです。……最初、治さなんだら良かったんと違う?

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母が早くに亡くなった時、見た目も可哀想なくらいに落ち込んでました。もう立ち直れないのではないかと思いました。それなのに、すぐ再婚しました。それも足の骨折で入院している時に知り合った女性です。あまりにも早い再婚には反対しました。その女性が来てからは実家にほとんど帰らなくなりました。

でもその女性もほんまにええ人でして、しかもうちの父の世話をするだけして、先に旅立ってしまいました。うちの親父、二人も嫁はん見送ってるんです。

その頃から痴呆が出て、施設でお世話になるようになり、最後は同和園へ落ち着きました。ここはなかなか入れないところで、入れただけでも運が良かったんです。ここの介護スタッフの人達には本当にお世話になりました。

私が噺家になると言い出した時、何も言いませんでした。たぶん反対だったと思いますが、好きにさせてくれました。おかけで噺家になれました。でも、もしうちの息子が「噺家になりたい」と言うたら、わたしゃ反対しますけどね。儲からない商売はやめときと。

よく聴きに来てくれた母と違って、父は数えるぐらいしか落語会には来てくれませんでした。たぶん心配で聴いてられなかったんでしょう。母もはじめは同じことを言うてましたが、そのうちに私は客席でケラケラ笑っている母の姿を高座から発見しました。そして、こんなことも言うてました。

「あんたの落語が一番面白いわ。気が合うのかな?」

親子ですから。

その母は58歳で亡くなりましたが、父は91歳まで生き延びました。納骨も済ませましたが、母はお墓の中で27年も待ってたことになります。父が来て、母は父がすっかり老け込んだことにさぞ驚いたことでしょう。(後妻さんは元の家のお墓に入ってはります)

そんなこんなで年の初めのご挨拶ができておりません。ここ数年、家内の両親、そしてうちの師匠の喪中ということがあり、ずっとできてませんな。私は親と言うべき人が6人いましたが、すべて旅立ってしまいました。ですから、もう当分喪中はないと思います。今度は順番から言うと……俺かい?

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明日から、大阪、東京、京都と大事な落語会が続きます。来てね。

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「寝床」と「質屋蔵」

2018/11/28 12:19
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「繁昌亭らいぶシリーズ」として、私のCDとDVDが発売されたのが2008年。もう10年前になるのですね。もう廃盤になったので手に入りにくくなりましたが、Amazonではまだ売ってます。


繁昌亭らいぶシリーズCD


繁昌亭らいぶシリーズDVD


どちらも中身は同じで、「けんげしゃ茶屋」と「寝床」が入っています。「けんげしゃ茶屋」は若い頃からやってましたが、「寝床」は初演が2006年2月19日。2002年からエクセルで記録しているので、すぐに分かります。我ながら凄い記録……。

2006年は初演を含めて10回、2007年は13回もやってます。長い落語なのに本当によくやってます。ところが、2008年以降は数回ずつしかやってません。やらなくなった理由はCDとDVDが出たからです。みんながこれを買って聴いて覚えて、その結果笑ってもらえないのではないかと思って……。そんな訳ないのですけどね。

この収録は2008年2月5日、繁昌亭での独演会で収録しました。先に独演会の演目が決まっていて、後からこの日に収録することが決まりました。つまり、収録するためにこの二つの演目を選んだのではないのです。でも、結果的にはこれで良かったと思っております。

「寝床」は先輩に稽古してもらったのではなくて、いわゆる聞き覚えです。ベースは枝雀師匠ですが、いろんな人のものを参考にさせてもらいました。もう誰からいただいたのか分からないくらい。

私が拵えたくすぐり(ギャグ)が、記憶しているだけで2ヶ所あります。これがあるのと、ないのとでは気分的に違います。オリジナルの部分があると、その演目に対して貢献できた、先輩に恩返しができた、後輩もやってくれたらええな、という気持ちになれます。もちろん、オリジナルがないネタもあります。もっと言うと、自分で拵えたのか、前からあったのか、分からなくなっているギャグもあります。

さて、私のオリジナルのギャグはどれか? それは……内緒にしておきましょう。それでは不親切ですね。「繁昌亭らいぶシリーズ」のCDで説明します。18分14秒と21分30秒の辺りです。……こっちのほうが不親切かな?

「寝床」は本日、ここでやります。「ブログ見た」の一言で前売、予約料金にさせていただきます。

  ☆11月28日(水) 19:00 〜 (開場 18:30)
第51回こころ坂・楽々落語会/集酉楽Syu-Yu-Raku・サカタニ(椅子席)
 京阪「七条」川端七条東入南側・ファミリーマート2F
 (G)ファミリーマートサカタニ京阪七条店
「ろくろ首」二豆 「鯉盗人」あさ吉 「除夜の雪」米二 「寝床」米二 糸:正子
前売・予約¥2,500 当日¥3,000 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥500 協力:京都女子大学落語研究会
問&予:サカタニ(月曜定休) TEL (G)075-561-7974 FAX 075-561-6710
PCからのメール info@sosake.jp
または桂米二予約センター TEL 080-5338-7331(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
 前回、めでたく50回を迎えた極上の空間での落語会です。
 噺家にとってしゃべりやすい、お客様にとって聴きやすい会なのです。
集酉楽 Syu-Yu-Raku サカタニ

サカタニ地図

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「質屋蔵」は数少ない秋の噺です。古典落語と呼ばれる中で秋の噺は本当に少なくて、私の持ちネタではあと一つ、「まめだ」ぐらいしかありません。しかも「まめだ」は古典落語ではなくて、三田純市先生の原作を元にして、桂米朝が拵えあげた、いわば新作です。

秋といえば一般的には紅葉とか、松茸とか、月見とか、いろいろあるのに古典落語には出てこないのです。「仔猫」で便所の窓から月を見上げるところはありますが……。

「質屋蔵」は秋の噺です。どこが秋か? それは……聴いてのお楽しみとさせていただきます。それでは不親切ですね。もう言いますわ。焼栗が出てくるから。それだけ。本筋は秋でも夏でかまへんのです。

と、たいして季節感もない秋の噺ですが、明日やります。「ブログ見た」の一言で前売、予約料金にさせていただきます。

  ☆11月29日(木) 18:30 〜 (開場 18:00)
第5回グランフロント大阪・うめきた落語会/(G)うめきたSHIPホール(椅子席)
 JR大阪駅北・グランフロント大阪うめきた広場
 〒530-0011 (G)大阪府大阪市北区大深町4-1
「時うどん」染八 「代脈」佐ん吉 「井戸の茶碗」竹林
「堪忍袋」八光 「質屋蔵」米二 糸:和女
前売・予約¥3,000 当日¥3,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥1,000
9/15(土)前売・予約開始  主催:うめきた落語会実行委員会 協力:GG倶楽部
特別協力:グランフロント大阪TMO
問&予:事務局 TEL 090-3865-5106(高橋・留守電の場合有)
または桂米二予約センター TEL 080-5338-7331(主に留守電)
PCからのメール g-yan@yoneji.com 携帯からのメール yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
 グランフロント大阪南館の西側に隣接するうめきたSHIPホールでの落語会。
 JR大阪駅の北側、南北連絡橋の階段を下りて、うめきた広場の西北側にある建物です。
 JR大阪駅から一番近い落語会です。たぶん。
 午後5時から入口で入場整理券を配布、その番号順に入場となります。
グランフロント大阪

うめきたSHIPホール

うめきたSHIPホール地図

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エリック・クラプトン〜12小節の人生〜

2018/11/26 12:14
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映画「エリック・クラプトン〜12小節の人生〜」を観てきました。10代の頃、落語の次に好きになったのが、エリック・クラプトン。順番が逆で、先にクラプトンを好きになってたら、もしかして?

http://ericclaptonmovie.jp/

この映画は伝記的なドキュメンタリーで、すべて本当のことなんでしょう。無茶苦茶やん、このおっさん。

無茶をやってきたことは知ってましたが、ここまで酷いとは思わなんだ。薬にアルコールに女……。アルコールに関しては人のことあんまり言えませんが……。でもこんなこと言うてはりますもん。

「自殺しなかったのは、酒が飲めなくなるからだ」

そして、こんなことも。

「音楽が僕を救った」

言うてみたいね、私も。

「落語が僕を救った」

と。私の場合は、ちょいちょい足をすくわれてますが……。

でも、酷い生き方です。アルコールを絶って、家族ができて、真人間になったということでなんでしょうね。

以前はこの人のように生きたいと思ってましたが、今は思いません。幼い頃、母に拒絶され、父親になったら息子が4歳で転落死する人生なんて。それでも今は幸せと言い切れるのは、ポジティブな生き方をしてきたからなのかなあ。

映画の中のエリック・クラプトンは酷い人です。でもこれを観たからといって、クラプトンを嫌いになる人はいないでしょう。持って生まれた人なんですよ、この人は。

あ、私、もう一人持って生まれた人を知ってます。桂米朝という人です。この人も酒飲みでした。

それはともかく、改めてエリック・クラプトンが残してくれた音楽を全部、聴き直してみたいと思いました。持ってるから。

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つい先日、ニューアルバムが出ました。なんとクリスマス・アルバム。クリスマスと聞いた時、ソフト路線かと思ったのですが、なんのなんの骨太でした。ロックして、ブルースしてます。因みに映画のタイトルの「12小節」とはブルースのことです。

嬉しいことにクラプトンは日本贔屓で、今までこの日本で211回のコンサートを開いています。そのうち私は56回観てます。最高のものも、最悪のものも。最悪はアルコール依存症の時ね。でも観続けてきて、聴き続けてきて良かったと、心底思います。

たぶん、また来年は日本公演があると思います。前回からもう大阪には来てくれなくなったけど、武道館へ行きますね。

映画はシニア料金で安かったけど、売店でいろんなものを売っていて、かなりの散財してしまいました。

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