じーやんの拍子の悪い日々・桂米二

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<<   作成日時 : 2018/04/07 11:48   >>

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審査員で思い出す一番古い記憶はなんでしょ? 毎日放送の「素人名人会」で三代目林家染丸師匠が「敢闘賞〜!!」と叫んではったことですね。古〜!!

ほんと古いです。当時、私は小学校の3年か4年生、つまり50年ほど前のこと。その染丸師匠が亡くなった後、「素人名人会」の落語、漫才など演芸部門の審査員はうちの師匠、桂米朝、そして五代目桂文枝師匠へと引き継がれたのでありました。

その時分から演芸番組をしらみつぶしに観ていた澤田少年でありますが、自分が噺家になろうとは、そしてその落語の審査をすることになろうとは、夢にも思てなかったんです、はい。

尼崎で開かれている「尼崎落研選手権」と「新人お笑い尼崎大賞・落語部門」という二つのコンクールの審査員をやらせてもらっています。前者は大学の落研の大会、後者はプロ(新人に限る)でもアマチュアでも出られる大会。でも、私が担当してからプロは出てないと思います。アマの大会です。場所も尼ですし。……私、駄洒落はあまり好きやないのですが。

それに以前、プロが出場してアマに負けたという実例が……。そんなこともあってプロは出にくいと思います。場所も尼ですし……。

いいですか。関西人は尼崎を略して「あま」と呼ぶのが一般的なのです。覚えといてくださいね。これは関東の人が埼玉のこと「さい」と呼ぶのと同じです。……これは言わんか。

やってみてわかりましたが、審査員はしんどい仕事です。落語に点数をつけるのですから。スポーツでも早さを競う競技の審査は楽でしょうね。はっきりとタイムが出ますから。落語の審査をやって分かりました。フィギュアスケートの審査は大変やろうなと。……一緒にするな、と思てはるでしょうが。

しかし、やり甲斐がある仕事ではあります。しかも審査委員長なんて肩書をつけてもらうと「エヘン」という気持ちになります。それに大いに勉強になります。その謙虚な気持ちを持ちつつ、順位をつける時はすぱっと決断しなければなりません。しかも「落研選手権」で優勝した人がプロの噺家になった例もあります。……なんで東京へ行ったんや?

その人の人生をも左右することになるのですから、審査員は責任重大です。でもこれはアマチュアの世界です。プロの噺家の審査となると、もっともっとしんどいです。できればやりたくない。それを去年からやり始めることになりました。

上方落語協会にはたくさんの委員会がありますが、以前は風紀委員会というのがありました。繁昌亭の楽屋で噺家に「ハンカチとティッシュは持ってきてますか?」とか、爪が伸びてる若手噺家に「切りなさい」と爪切りを押しつける……そんなことはしません。

「繁昌亭昼席では持ち時間を守りましょう」とか「マクラで下品なことを言うのはやめましょう」とか「楽屋に汗の臭いがしみついた長襦袢を干してはいけません」とか。他に何がありましたっけ。……そうそう、若手指導という大事な役。

その「風紀委員会」が衣替えしまして、「若手育成委員会」と名前もそのままな委員会ができました。メンバーが凄い。香盤順に米二、団四郎、竹林、梅團治、花團治、鶴二、あさ吉と、下の数名を覗いてほぼ還暦という恐ろしさ。一番古い私が委員長ということになりました。協会の理事から副会長の米團治君も参加してます。彼は今年還暦……。

繁昌亭で「乙夜(いつや)寄席」という深夜寄席を始めたのも若手育成委員会です。もう一つの役としまして「若手噺家グランプリ」の運営とお世話。ま、実質的には上方落語協会事務局のTさんが取り仕切ってくれてます。Tさんは協会で若き女性スタッフとして頑張ってくれてましたが、とうとう若手噺家の桂三語君の嫁になった人です。もうドツボにはまって出られないという……これ以上のコメントは控えさせていただきます。その田辺ちゃん……あ、言うてもた。彼女が頑張ってくれてるので我々も役目をこなせるのです。

さて「若手噺家グランプリ」。これはアート引越センターの寺田千代乃会長が「上方落語界の新たなスターを発掘する」という目的で、ボーンとお金を出してくださったところから始まりました。今年で4年目。若手育成委員会は去年からお世話をさせてもらってます。若手からエントリーを募り、出場者を40名に絞り、演目の希望を聞き、できるだけ希望に沿うように、かつ一門、キャリアのバランスを考えた上で、10人ずつ4回の予選に振り分けて、そして予選会の審査です。フ〜〜……。

今までの決勝での優勝者は桂吉の丞君、笑福亭たま君、桂米輝君の3人。それぞれ賞金20万円をかっさらっていきました。ちなみに準優勝は賞金5万円。優勝したら次の年はもう出られませんが、準優勝はまだ出られます。入門18年目までが出場資格ですが……。

4月2日(月)に第1週目の予選会が開かれました。このあと毎週月曜日にあと3回開かれます。私が審査するのは第1週と第3週の2回。落語の持ち時間が8分〜10分。これより1秒多くても少なくても減点されます。みんな、9分ぐらいでまとめたら大丈夫やで。……でも去年はタイムオーバーが多くて私はため息ばっかりついてました。

アマチュアよりプロの審査のどこが大変かというと、普段から可愛がってる、または憎たらしい後輩に点数をつけなければならないということ。しかもその後輩の将来をも左右するのです。ここで優勝して、それをきっかけに大きく羽ばたいた噺家……はまだ居てませんが。

で、第1週の感想。みんな頑張った。レベルが高い。若手育成委員会の○○より上手い……。点数は1点刻みでしかつけられなかったほどの接戦。この日の審査は私以外に竹林君と鶴二君。去年も感じたのですが、みんなの意見が大きく違わないのです。私がええと思た人は、他の二人もええと思たみたいです。これは客席の笑い声にも響いてますね。

という訳で決勝通過は1位が桂ちょうば君、2位が笑福亭喬介君の二人。喬介君は凄いですよ。一昨年、去年と準優勝。今回の予選も第2位。この調子で今年も決勝は準優勝狙いですな。毎年5万円ずつかっさらって、トータルで賞金王を狙ってね。

予選会はあと3回。9日、16日、23日の月曜日、午後6時30分開演、会場は天満天神繁昌亭です。まだチケットありまっせ。決勝は6月19日(火)午後6時30分、これも天満天神繁昌亭。チケットは予選が全部済んでからの発売となります。

決勝の審査はしません。在阪マスコミ各局のプロデューサー、ディレクターが担当してくれはります。私は前説と優勝者発表のみですから、これは気ィ楽ですわ。若手から恨まれずに済みます。

上の写真は開演前、出演順を抽選で決めているところ。林家染太君が1番を引き当てました。したがって、この日のトップバッター。

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コメント(3件)

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風紀委員・・・ガッコに居てましたねぇ。
ガッコだけやなしに、カイシャにも居てますねん。
「あの髪の色。全然似合ってないわね。」
「服装の趣味が悪いわね。」
「体型が、醜くなってるわ。」
そういうあんたは、どやねん?ですけどね。
ちりとてちん
2018/04/07 21:44
漫才コンクールは、トップバッターは不利と聞いたことがあります。(基準になるので、高得点が付けにくいとか)

落語も同じでしょうか?
てんさん
2018/04/10 05:08
最初、「風紀委員会」と聞いた時、「何それ?」と思いました。今の「若手育成委員会」のほうが合うてると思いますよ。

漫才でも落語でもトップバッターは不利に違いありませんが、そこはあなたの腕で。
じーやん
2018/04/11 02:46

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